2019年6月29日、江東区・東川小学校にて発明・発見教室「水と油は混ざらない!? 界面活性と乳化のはたらき」を実施し、1~6年生までの小学生とその保護者 計約60名が参加されました。

通常、水と油は混ざりません。しかし、「よくかき混ぜる」などの工程を加えると、混ざり合います。この状態を「乳化」と呼びます。しかし時間を置くと、再び水と油に分離してしまいます。乳化した状態を保つために、乳化剤または界面活性剤という物質が活用されるのです。
今回の「発明・発見教室」では、乳化剤または界面活性剤の機能、水と仲良しの部分(親水基)と油と仲良しな部分(親油基)の両方を持ち合わせていることについて、子ども達にわかりやすくお話しました。

 

 

 

 

 

また、乳化とその反対の現象(分離)を確認してもらうために、ローリングアップ現象の観察と、生クリームを使ったバターづくりも体験してもらいました。

ローリングアップ現象の観察では、子ども達の手で希釈した界面活性剤入りの洗剤液と、洗剤の入っていない水、それぞれが入ったビーカーに、油がついた布を浸すとどうなるかを比較しました。洗剤液のはいったビーカーでは布から油が離れ、洗剤液が白濁し、油が水面に浮きあがっていく様子を直に確認できました。

バターづくりは、生クリームの中に入っている脂肪(油)を振ることで取り出すものです。脂肪は薄い膜で囲まれており、振ると、膜が破れて、中の脂肪同士がつながり、水分(ホエー)と分かれていきます。これがバターです。今回は1人・1本ペットボトルに生クリームを入れ、バターが作れるかチャレンジしました。夏は生クリームが温まりやすく、なかなかバターになっていきませんでしたが、子ども達は一生懸命振り続け、生クリームが変化し固まりだす様子を体験から感じ取りました。

そして、乳化剤や界面活性剤に関わる特許は、食品や化粧品などの新しい製法に活かされていることも伝えました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▲参加者が書いてくれた「おたよりはがき」(「おたよりはがき」は、今回知ったことで、家族や友達に伝えたいことを書いてもらうものです)