第183回知的財産マネジメント研究会(Smips)

第183回知的財産マネジメント研究会(Smips)
日時:2016年11月12日(土) 場所:政策研究大学院大学5F 参加費:無料

開催プログラム(どちらの分科会・セッションに出席しても結構です。事前登録等は一切必要ありません。一部分だけの参加でもかまいません。)

※詳細は随時更新いたします。

★13:00-14:30 セッション1
○ 産学連携によるイノベーション分科会(山本貴史)
    テーマ:「ボーダーレス・サイエンス - なぜ日本の基礎研究力は下方に向かったのか?」
     講演者:新井 聖子 様(スウェーデン・ウプサラ大学 研究員)

  
講演の概要:2000年ごろまでは、基礎研究力は米国を中心とした日米欧の3極集中であったが、現在では、新興国の科学技術力が向上して多極化し、研究者のグローバル・ネットワークがますます発達してきている。先進国の中では、特に日米の科学技術力の相対的は低下しているが、一方、欧州の大国はかつて一度日本に追い越されたが、またその力を増している。いつごろから、なぜ、日本の基礎研究力の地位は低下し始めたのか。本講演では様々なデータなどを参照しながら、この日本の基礎研究力低下の理由について、次の3つの観点から説明し、今後の政府の政策、大学や企業の経営のあり方についての考えを示すことを試みる。(1)国内要因、(2)東アジアへのknowledge spillover、(3)日本の科学技術政策(諸外国のグローバル化 vs 日本の東アジア化)
  
自己紹介:東京大学法学部から法学、政治学の学士号、米国ハーバード大学から行政学修士号、英国オックスフォード大学から経営学博士号をそれぞれ取得。博士課程前には、日本の文部科学省、フランスのパリに本部を持つ経済開発開発機構(OECD)に合計約10年間勤務。博士号取得後は、シンガポール国立大学、ウィスコンシン大学で、それぞれアシスタント・プロフェッサー就任。このほか、米国のスタンフォード大学、デューク大学、カリフォルニア大学バークレー校、ドイツのマックス・プランク、欧州経済研究所などで客員研究員として研究。現在の所属はスウェーデンのウプサラ大学で、2015年秋から政策研究大学院大学に滞在し、日本の科学技術力の低下について調査をしている。
  
みなさん、お気軽にご参加ください。以上、どうぞよろしくお願いします。

    
○ 法律実務(LAP)分科会 (足立昌聡)
    テーマ:IoTの時代故の知的財産権の取得や権利行使時の問題点について
      講演者:足立オーガナイザー

本年9月28日に公表された特許審査ハンドブックのIoT関連技術に関する追加事例*を題材に、IoTの時代故の知的財産権の取得や権利行使時の問題点について皆さんと議論したいと思います。時間が許せば、Pokémon GOを構成技術についても、同様の視点で検討したいと考えています。
IoT(Internet of Things)という言葉が経済誌等で頻出するようになって久しいですが、IoTを構成する各技術自体は、センサーなど既存の各分野の汎用技術であることが多いと理解されています。それ故に、IoT関連技術に対応する法改正や審査基準改定は特段なされておらず、またその必要もないとされてきました。しかし、IoT時代がインターネットを必須の構成要素とするために、IoTの実装場面では、構成要素の一部が日本国外で実施されることも珍しくなくなってきており、仮にIoT関連技術について特許権を取得できたとしても、権利行使に困難を生ずるおそれも指摘されています。今回の分科会では、追加されたIoT関連技術のケースを元に、IoT関連技術の権利化がどのようなされているかを見ながら、取得された権利を行使する場面での問題点について議論したいと思います。特許法や出願実務に関する前提知識は一切不要ですので、奮ってご参加ください。
* http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/iot_shinsa_161101.htm
  
知識流動システム(KMS)分科会(西村由希子・天元志保・長壁健)講義室 I
12月3日(土)に東川小学校で行う発明発見教室について準備をします。今回は再生能力を持つ生物「プラナリア」を使って再生医療のための研究や技術などについてお話しする予定です。ご関心をお持ちの方、ぜひお越しください。
  
★15:00-16:30 全体セッション:講義室 L

テーマ:査読論文に関する一考察とこれまでの研究について
 講演者:小田 哲明 様(立命館大学大学院 テクノロジー・マネジメント研究科 准教授)

内容:前半では、学会誌全般において論文が掲載されるには、どのような点に注意・工夫が必要か、についてお話しいただいた上で、後半では、ご自身の現在までのご研究やご関心事項についてもお話しいただきます。
※ 日本知財学会・知財学ゼミナールと共催です。

   

★17:00-18:30 セッション2 :いずれかお好きなものにご参加ください
○ 産学連携分科会(長壁健・鈴木睦昭・杉浦美紀彦・林聖子・矢上清乃)
    テーマ:産学連携によるイノベーション創出促進の為のプロデュース機能について・・・皆さんで考えましょう!
     講師(話題提供):産学連携分科会オーガナイザーの一人の林聖子(亜細亜大学都市創造学部)

グローバル化をはじめ、我々を取り巻く社会環境は刻一刻と変化しています。
産学連携によるイノベーション創出への期待が大きい中、参画するアクターの役割にも変化が求められています。
事例を紹介しながら、現在、そして将来的にも産学を上手に連携し、プロデュースしながら、イノベーションを創出していくかについて皆さんで考えてみませんか!

既存概念、既存のシステムから脱却し、コーディネートからプロデュースへと変化が必要と考えています。

  
○ 特許戦略工学分科会 (片岡敏光・赤間淳一・安彦元・久野敦司・岡崎邦明・永井隆)
    テーマ:AI(人工知能)とAIビジネス
     副題1: 過去(第2次AIブーム)、現在(第3次AIブーム)、そして未来のAI(人工知能)
     副題2: AIビジネスに必要とされる人材とは?
       講演者&ファシリテーター:赤間 淳一 オーガナイザー(デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社 xoBlos(ゾブロス)事業部 セールスエンジニアリング部長))

■アジェンダ:
・第2次AIブーム(1980年代半ばから90年代初頭)の振り返り
・当時のAIビジネス化(エキスパート・システム、仕事と遊び、ロボティックス)
・自然言語処理プロジェクト(言語解析・理解、文章生成、機械翻訳、自動分類、知識表現)
・第3次AIブーム(現在進行形)の概観
・現在のAIビジネス化(機械学習、ディープ・ラーニング、ビッグ・データへの活用)
・今、AIビジネスに必要とされる人材とは?
・未来のAI(人工知能)とAIビジネスを巡るディスカッション

ご興味のある方の参加をお待ちいたします。

  
エンタメと知財分科会(新井秀美・山田光利)
    テーマ:触感VRによって生まれる新しいエンタメ体験
     講演者:岩崎 健一郎 様(H2L株式会社 代表取締役)

講演の概要:PSVR(プレイステーションVR)も10月に発売され、VR元年とも言われる状況はますます盛り上がっています。VRと言えばOculus Riftに代表されるようにHMD(ヘッドマウントディスプレイ:ゴーグル状のデバイス)を装着して、「視覚」「聴覚」に対して自分が仮想空間にいるような感覚を与えるイメージが強いと思いますが、次に注目されているのが仮想物体からの反力や重さ等を感じさせる「触感」に関するテクノロジーです。今回の研究会では、触感型ゲームコントローラー『UnlimitedHand』や装着した人の身体を電気刺激によって操作する『PossessedHand』の開発を行っているH2L株式会社の代表取締役・岩崎健一郎氏に話題提供いただき、「触感VRが生み出す新しいエンタメの可能性」について議論できればと思っております。
  
○生活安全性向上分科会(仮称)創設検討会:講義室I
    テーマ:第2回生活安全性向上分科会)
     進行役:上原龍

目的:生活安全性の向上に寄与する、または寄与する可能性のある知見を取得、または創出すること。
前提:生活安全性に関連するすべてを、テーマの候補とする。例えば、環境(エコロジー)、健康医療、食品安全、防災減災、土地利用計画、少子高齢対策、福祉政策など。
内容:さあどうする? いざというときのまさかを軽減するために今日もしも大地震が発生したら、明日もしも大津波が襲ってきたら、どうしますか?東日本大震災から5年以上が過ぎました。あのとき、すぐまた大災害が起きるかもと、備えを進めた方もおられるでしょう。さて今はどうでしょうか?あの大災害をもう一度振り返り、教訓を探ってみましょう。 
全員参加型の簡単なゲームにより、そのための機会をご提供致します。
  
今回お休みの分科会:
知財キャリア分科会 (上條由紀子・飛澤宗則)