第172回知的財産マネジメント研究会(Smips)

第172回知的財産マネジメント研究会(Smips)
日時:2014年10月17日(土) 場所:政策研究大学院大学5F 参加費:無料

開催プログラム(どちらの分科会・セッションに出席しても結構です。事前登録等は一切必要ありません。)

※詳細は随時更新いたします。

★13:00-14:30 セッション1
○ 産学連携によるイノベーション分科会(山本貴史)
   テーマ:イノベーションを支える支援者の役割と機能
   講師:山本オーガナイザー

 イノベーションを語るときに、大学の技術のライセンスやベンチャー・アントレプレナーという視点からの話が多いと思われますが、これらの議論では行き着くところ人材に帰結し、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズのようなスーパーマンがいればイノベーションが起こるという話が多いように思われます。しかし、本当にそうでしょうか?もちろん彼らは素晴らしいアントレプレナーのお手本のような経営者であったと思いますが、彼らの周囲でイノベーションを支えていた人材がかなりの役割を果たしていたのではないかという仮説で、このようなイノベーションの支援者は何を行う能力があり、どのような役割を果たしたのかということについて議論し、日本でもそのような役割を担える人材育成はできないかということについて意見交換を行いたいと思います。 
 
○ 法律実務(LAP)分科会 (足立昌聡)
   テーマ:新しいビジネスモデル・社会システムとパーソナル・データの保護について
   講師:足立オーガナイザー

 先日のSmips WSでも、IoTなどの新しいビジネスモデルの中で集められたパーソナルデータの取扱いについての議論がなされました。政府においても、改正個人情報保護法が成立したほか、マイナンバーや遺伝情報の取扱いについて様々な議論がなされています。海外に目を向けると、EUが米国をもはや個人情報保護において「安全でない」と判断するなど、さまざまな動きが出てきています。
 参加者の方々からパーソナルデータを活用したビジネスモデルや社会システムを提案して頂き、現行法上の問題点や将来的な課題についてディスカッションが出来ればと思います。いつもどおり、前提知識などは一切不要ですので、気軽にご参加下さい。

 
○ 知識流動システム(KMS)分科会 (西村由希子・天元志保・長壁健)講義室:I
   テーマ:12月12日(土)に東川小学校で行う発明・発見教室の企画打ち合わせ
 原点回帰で、90分のプログラムの中で絵本の読み聞かせと「未来の○○」ワークショップをしたいと企画しています。(未来の“食事”などが面白いかなと考えています。その意見出しもします)当日のボランティア運営サポーターも募集中です。その他、今年度から始めた科学コミュニケーション研修(12月に研究機関で2回実施することになりました)に関するプログラム開発、今後の取り組み計画も含めてそろそろ来年度以降のKMSの取組等についても考えたいと思っています。
 
★15:00-16:30 全体セッション:講義室 L
   テーマ:「ライフサイエンスって何? 科学行政よもやま話」
   講師:佐藤 真輔 様(ライフサイエンス研究振興分析官)
 ライフサイエンスの定義、ライフサイエンスの展開、ライフサイエンス教育、ライフサイエンス人材・キャリアパス等についてこれまでの行政・研究での経験を踏まえ、柔らかい話を取り入れつつ大ざっぱに考えを述べ、またライフサイエンスの普及のためにはいろいろなハードルを除去していかねばならない典型例として、ゲノム解読による診断をトピックとして取り上げてお話くださいます。

 
★17:00-18:30 セッション2 :いずれかお好きなものにご参加ください
○ 特許戦略工学分科会 (片岡敏光・赤間淳一・安彦元・久野敦司・岡崎邦明・永井隆)
    テーマ:イノベーション推進の人財と組織
    講師:片岡オーガナイザー

 今月の例会は、10月3日、4日に大阪経済大学で開催された第37回日本創造学会研究大会で、「イノベーション推進の人財と組織」と題して発表しました本分科会での研究について、片岡から報告させていただきます。3年あまり、Smipsの皆さんのご協力をいただき、知財人財、組織のあり方について、岡崎オーガナイザー提唱のブレンドメソッドを用いた気質分析を用いて、コミュニケーションゲーム、気質分析の観点から当分科会でのPCML、格成分分析など、ユニークな研究を行うイノベーション型組織の分析をしました。また、企業秘密、時間、費用の観点から、実際の組織についての分析、研究の困難さを補う意味で取り上げた、架空の小説でありながら、現実を的確に表現していると思われる池井戸潤著作直木賞受賞作品「下町ロケット」、「ルーズベルトゲーム」やパテントトロール問題に焦点を当てたNHKドラマ「太陽の罠」など、知財問題を取り入れた企業小説の登場人物、組織についても、気質分析結果を基づいてイノベーション推進する人財、組織のあり方について考察してきました。日本創造学会では、これらの研究成果についてイノベーション推進の観点から研究発表させていただきました。

 
○ 知財キャリア分科会 (上條由紀子・飛澤宗則)
    テーマ:「国内外ドローンビジネスの動向 」
    講師:山口 泰久 様 (DBJキャピタル株式会社 取締役 マネージングディレクター)

【講師からのメッセージ】
 近年、様々な分野への応用が検討されている一方で、思わぬ場所に落下するトラブル等でも一躍有名になった「ドローン」ですが、「ドローン」を「無人ロボット」として見ますと、ビジネスの将来性は非常に大きいと考えられます。今回は、ベンチャーキャピタリストとしての目線で、国内外ドローンビジネスの最新動向について、お話させていただきます。是非、多くの皆様にご参加いただき、ドローンビジネスの可能性について、一緒に検討できれば幸いです。
【講師のご経歴】
 九州大学経済学部卒業。ケンブリッジ大学大学院土地経済学部修士課程修了。1986年日本開発銀行(現(株)日本政策投資銀行)入行。欧州留学後、地域開発企画部(産学連携・ベンチャー育成等担当)、(株)日本インテリジェントトラスト研究企画部長、日本政策投資銀行地域政策研究センター参事役(産業クラスター調査担当)、大分事務所長等を経て、2006年知財開発投資(株)取締役就任。2009年同社代表取締役社長就任。2010年DBJキャピタル(株)取締役投資部長、2012年取締役投資部部長、文部科学省大学発新産業創出拠点プロジェクト代表事業プロモーター、2015年取締役 マネージングディレクターに就任、現在に至る。著書に『ゼロミッションマニュアル』(共著、海象社)、論文に「地域の技術革新と起業家精神に関する調査」(日本政策投資銀行編、スタンフォード大学共同調査)、「九州大学の経営戦略に関する調査」(九州大学)など。
      
○ 産学連携分科会 (長壁健・鈴木睦昭・杉浦美紀彦・林聖子・矢上清乃)
    テーマ:IoT、ビックデータ、人工知能時代の次世代ライフサイエンス展望
    講師:丸山 智久 様(東京医科歯科大学大学院 ENVIROME株式会社代表取締役社長兼CEO/ドクターズモバイル株式会社アドバイザー)

 1.GenomeとEnviromeとPhenome 2.ゲノム情報やヘルスケア情報に関する知的財産をどうとっていくか? 3.エヴィデンス問題 4.ビックデータから見いだせる知的財産情報とその利活用 5.次世代遺伝子教育の必要性
 上記5テーマを中心として、専門であるゲノム、環境因子領域をお話します。また、次世代シーケンサー技術や先端ライフサイエンス・医療技術とそのデータ活用事例の紹介、人工知能領域の可能性などを含むライフサイエンス分野への応用と将来の展望とその産業の可能性、現在の医療とバイオテクノロジーにおけるギャップと知的財産戦略について、次世代の医療の在り方等現在日本や世界が直面しているライフサイエンスの課題についてを話題として提供いたします。さらに時事ネタとして、大村智先生の天然物創薬領域にも触れつつお話する予定です。