第184回知的財産マネジメント研究会(Smips)

第184回知的財産マネジメント研究会(Smips)
日時:2016年12月10日(土) 場所:政策研究大学院大学5F 参加費:無料

開催プログラム(どちらの分科会・セッションに出席しても結構です。事前登録等は一切必要ありません。一部分だけの参加でもかまいません。)

★13:00-14:30 セッション1

○ 法律実務(LAP)分科会 (足立昌聡)

テーマ:FinTech関連の知的財産について、ビジネスモデル特許の今後のあり方について
 講師:足立オーガナイザー

FinTech関連の知的財産について、下記の直近の国内事例を見ながら、いわゆるビジネスモデル特許の今後のあり方について皆さんと議論したいと考えております。

★フィンテックで特許訴訟 中小向け会計ソフト巡り:日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO10469750Y6A201C1TI1000/

国内のビジネスモデル特許は、一時期出願数が減少傾向にありましたが、最近は一転増加に転じています。
一方、米国ではAlice判決以降、ビジネスモデル特許はかなり萎んできており、反動でビジネスモデルに積極的に権利付与すべきという論調が高まってきているようです。
明日は周辺事情も見渡しながら、ディスカッションができればと思います。
  
★15:00-16:30 全体セッション:講義室 L

テーマ:「『男前マスク』と『王女のマスク』 留目弁理士奮闘記!」はいかにして生まれたか?

 講演者:黒川 正弘 様(三菱ガス化学株式会社研究推進部知的財産グループ・作家)

 
『男前マスク』と『王女のマスク』 留目弁理士奮闘記!」はいかにして生まれたか?腰痛持ちの留目茂(とどめしげる)弁理士は、ある閃きから大手特許事務所から下町に特許事務所を構えた。ふとした偶然からふらふらしていた元調査員の浅井香織(あさいかおる)が留目特許事務所に加わる。同じ下町にあるマスク工場のマスクが発売直後から模倣品が出回り困っていた。そうしたある日のこと、マスク工場の開発部長の福田優介(ふくだゆうすけ)が特許を取りたいと飛び込んでくる。その後、新マスクを苦心惨憺しながら開発し、特許や実用新案を出願するが、再び執念深い模倣品に手を焼く三人。裏ではマスク工場の乗っ取りを画策する中国人、楊雪花(ヤンチエホア)がいた。楊は乗っ取りのために社長の福田新造、専務の工藤正義、兄新一郎たちに揺さぶりをかける。そして、家族や社員の絆の糸が切れる……。そうしたある日、優介は幼馴染でバツイチの加奈女と出会う。加奈女の娘、奈々美は喘息とアトピーで普通のマスクは使えないという。優介は奈々美にフィットしたマスクを作ろうとするが、失敗の連続。はたして、新マスクの開発はできるのか? マスク工場は中国人の乗っ取りから逃れ、再建はできたのか? 茂と香織、優介と加奈女の仲はどうなるのか?そして、奈々美のヒントが……。この小説がいかにして生まれたのか、筆者のこれまでの経歴と経験を披瀝し、この小説に込めた思いを明らかにしていきます。

   
●「留目弁理士奮闘記!『男前マスク』と『王女のマスク』」内容紹介
本書の主人公は「留目茂」、大手特許事務所を辞め、突然の閃きで個人事務所を開設してしまった。そこへ、調査会社を辞めてぷらぷらしていた香織が、事務所の前を偶然通りかかり、紆余曲折あって務めることになった。しばらくして、地元のマスク工場に勤める福田優介から初めての依頼を受ける。このマスク工場を軸に、優介の家族や幼馴染、また工場の乗っ取りを企てようとする中国人など、登場人物も多彩であり、「弁理士」の仕事や「特許」について、盛り込みながら物語が進んで行く。(アマゾンの掲載ページ) URL https://goo.gl/m0VPG0一度読み始めると最後まで一気に読み終えてしまうような、本当に面白い小説です。
   
● 講師 黒川正弘先生のご紹介
1952年生まれ、奈良県出身。工学博士。1980年大阪市立大学大学院工学部後期博士課程修了。同年三菱ガス化学株式会社に入社。研究推進部で特許100件以上を出願する。2005年、知的財産グループに異動。特許戦略等に関する多くの講演会を国内国外で実施中。今回発売された「留目弁理士奮闘記!『男前マスク』と『王女のマスク』」以外に、 「これからの特許の話をしようー奥さまと私の特許講座ー」(三和書籍、2011年)、「チャイニーズリング」(文芸社、2012年)、「蒼空とリウ」(作者名;流 源太(ながれ げんた)ネットで配信中)、「慟哭のアペル」(未発表)、「土偶と特許とGDP-アフター5発、B列車で飲みに行こうー」(近畿化学工業会編きんか誌、2011年12月号、エディター賞受賞)、その他著書多数。
   

★17:00-18:30 セッション2 :いずれかお好きなものにご参加ください
○ 産学連携分科会(長壁健・鈴木睦昭・杉浦美紀彦・林聖子・矢上清乃)
   今月は休会です。
  
○ 特許戦略工学分科会 (片岡敏光・赤間淳一・安彦元・久野敦司・岡崎邦明・永井隆)
     テーマ:留目弁理士の特許戦略は実行可能か?
      講師:黒川 正弘 様(三菱ガス化学株式会社研究推進部知的財産グループ・作家)

特許戦略工学分科会では、全体セッションに引き続き、黒川先生からレクチャーをいただきます。途中からは黒川先生を囲んでフリーディスカッション形式で皆様と活発な意見交換を行う機会を設けさせていただきます。作家ってどうやって小説を作るの? この小説の続編は? とかなかなか聞けない話も自由に聞いていただく良い機会だと思いますので、全体セッションと併せて御参加ください。
【講師からのメッセージ】
 留目(とどめ)弁理士は、「『男前マスク』と『王女のマスク』 留目弁理士奮闘記!」のなかで新しく開発した『男前マスク』と『王女のマスク』の特許、実用新案、意匠および商標を複数件出願し、パテントマップから見た他社技術との差異化が明確となり、知財戦略は完璧かと思われた。ところが、新発売したマスクは、あっという間に模倣品の攻撃にあう。留目弁理士は権利を元に警告状を出すが、留目弁理士の知財戦略をあざ笑うかのように次から次へと模倣品が出現し、途方に暮れる。留目弁理士が手段として工夫した知財コンプレックスは本当に有効だったのか?更なる手段はあるのか?実務家の皆さまとともに活発な意見交換がいただければ幸甚です。

    

知識流動システム(KMS)分科会(西村由希子・天元志保・長壁健):講義室 I
東川小学校で行なった発明発見教室の総括、今後の活動に関する打ち合わせを行います。
  

エンタメと知財分科会(新井秀美・山田光利)
      webメディアにおけるSEOと著作権 ー 各社の対応とこれからのwebメディアー
       講師:永江 一石 様(ランダーブルー株式会社 代表取締役 コンサルタント)
 
DeNAが運営する医療系キュレーションサイトWELQへの指摘からクラウドソーシングを利用して、数多くのサイトからコンテンツをリライトしていた問題で、DeNAはWELQを含めキュレーションメディア10媒体を非公開にしました。夏ごろからコンテンツ内容について指摘があり、さらにSEOコンサルタントから「死にたい」というキーワードに対するSEO対策についての指摘もSNSを中心に話題になっていました(関連記事はfacebookイベントページにあります)。インターネット上における事実の報道から個人ブログまで、あらゆるweb上の文章が安易にコピーできる環境にあります。webメディアにおけるSEOと著作権の起こりやすい問題点や、著作権法上許されている引用についての運用も様々な対策がなされています。そこでオウンドメディアを含めwebメディアの歴史と最近の傾向を踏まえまして、本件においてSEOはいかなる役割を果たしたのか、Googleをはじめとした検索エンジンはどうあるべきなのかあらゆる議論がなされています。さらに不当な複製がなされることを人のモラルにゆだねるのではなく技術的な手段で解決することは可能なのかという疑問があります。今回はWELQ閉鎖のトリガーともなったブログを執筆されたコンサルタントの永江一石さんからSEOのそもそもの利活用例も含めお話しをお伺いします。今回の講義はメモ禁止ですが、Twitterやブログなどでの発信は可能です。

皆さんのご参加をお待ちしております。

  
今回お休みの分科会:
産学連携によるイノベーション分科会(山本貴史)
知財キャリア分科会 (上條由紀子・飛澤宗則)
生活安全性向上分科会(仮称)創設検討会