第189回知的財産マネジメント研究会(Smips)

第189回知的財産マネジメント研究会(Smips)
日時:2017年7月8日(土) 場所:政策研究大学院大学5F 参加費:無料

開催プログラム(どちらの分科会・セッションに出席しても結構です。事前登録等は一切必要ありません。一部分だけの参加でもかまいません。)
※ 今回は、法律実務(LAP)分科会、全体セッション、エンタメと知財分科会を、日本知財学会・知財学ゼミナールと共催で開催いたします。
※詳細は随時更新いたします。

★13:00-14:30 セッション1
○ 法律実務(LAP)分科会 (足立昌聡)
    テーマ:「技術と法律」~データの利活用とデジタル時代の法律設計 第一部 
・日置 巴美 様(弁護士法人内田・鮫島法律事務所 弁護士)「データ駆動社会におけるデータ取引とコンプライアンス」
・足立 昌聡 様(弁護士、Smips法律実務(LAP)分科会オーガナイザー)「データ取引の知的財産法の側面」
  
★15:00-16:30 全体セッション:講義室 L
    テーマ:「技術と法律」~データの利活用とデジタル時代の法律設計 第二部 LT(Lightning Talks) 
・隅藏 康一(政策研究大学院大学 教授、Smips総合オーガナイザー)「オープニングトーク:技術と法律」
・芝尾 幸一郎 様(ソフトウエアエンジニア)「可視化法学の概要、ソフトウェアプログラマーから見たcode(ソースコード)≒code(法令)について」
・武内 満 様(hi-farm Laserist, programmer)「ライブ演出でのレーザーや電波を発する際、国内外の電波法などの規制をどう気づき安全を確保するか」(仮)
・新井 秀美 様(パロット行政書士事務所 行政書士、Smipsエンタメと知財分科会 オーガナイザー)「法律の壁を乗り越えるスタートアップ事例紹介」

    エンタメと知財分科会ならびに法律実務(LAP)分科会による企画です

IoT、AI、ブロックチェーン、VRをはじめとしたXR、ドローンなど、毎日ニュースで目にしないことはないほど技術情報があふれるようになってきました。
少し前までインターネット上にデータを置くことはデータ流出の観点から禁止されていることが多かったにもかかわらず、個々人の行員にメールアドレスを持たせなかった銀行ですらパブリッククラウドの導入を進めています。
少し前まで不当にコピーされることを防ぐためにコピープロテクトCDを作っていたにもかかわらず、YouTubeが違法にアップロードされた楽曲であっても権利者へお金が入る仕組みを作りだしました。
少し前までテレビ番組を録画するブルーレイにはダビング10(コピー回数制限)を設け、コピーガードCSSをつけたにもかかわらず、テレビ局を横断した地上波のテレビ番組を見れるTVerというプラットフォームができています。
法律側はインターネットの普及とともにかつての法律規制の趣旨や法律設計を技術の見通しをしつつバランス感覚をもって、問題が起きてからではなく技術に伴走するように適度なスピード感で問い直す必要性が出てきています。また技術側も書籍でも追いきれない様々なプログラミング技術がでてきているので、社会順応や海外対応も含めインターネットと知財と技術がパラレルに把握することがより求められつつあります。
2020年にはプログラミング教育の義務化も始まり、“Digital Nature“がさらに加速する世界が間もなくやってきます。
まずはどんな世界があるのか、先を行くみなさまのお話をお伺いする機会としたく、ご参加をお待ちしております。
LT(Lightning Talks)とはカンファレンスなどで行われる短い時間のセッションです。今回はお1人20分ほどを予定しています。
【参考】
パブリッククラウドは銀行システムに広がるか
https://japan.zdnet.com/article/35095572/
  
★17:00-18:30 セッション2 :いずれかお好きなものにご参加ください
エンタメと知財分科会(新井秀美・山田光利)
    テーマ:「技術と法律」~データの利活用とデジタル時代の法律設計 第三部 LT続 
    技術によっていかに法律があるべきなのか、3つの側面からお話しをいただきます。
・柏木 亮二 様(株式会社 野村総合研究所 金融ITイノベーション事業本部 FinTech研究室 上級研究員)「レギュラトリー・サンドボックスの概要」
・渥美 俊英 様(社団法人クラウド利用促進機構 運営委員)「メガバンクがパブリッククラウドを採用する背景~クラウドと金融庁/FISCの最新動向」
・日置 巴美様(弁護士法人内田・鮫島法律事務所 弁護士)「技術と法律は友好関係を築けるか?~ 生体情報、データ分析を射程に捉える個人情報保護法から考える~」

  
○ 特許戦略工学分科会 (片岡敏光・赤間淳一・安彦元・久野敦司・岡崎邦明・永井隆)
    テーマ:「第4次産業革命のためのIoT戦略」-IoTデータ流通市場を支えるべきデータ所有権とブロックチェイン― 
    講師:久野敦司様(PatentIsland株式会社 代表取締役社長、Smips特許戦略工学分科会 オーガナイザー)
 
【講演者からのメッセージ】
2017年5月、6月に発表された「新産業構造ビジョン」、「知的財産推進計画2017」、「未来投資戦略2017」など我が国の国家戦略を、AI、IoTなど第4次産業革命という視点から俯瞰しますと、中心テーマは「データ利活用」であることが判ります。
ところが、これらの戦略からは、Google等のIT巨人に支配されずに発展するための施策が見えてきません。
具体的には、データ利活用の促進のためにデータに物権的権利(所有権)を付与すべきか否かなどの検討が十分なされたと言えないからです。
これらについて、私からの問題提起と、皆さんと共に、データ利活用の促進と日本が第4次産業革命に生き残り、発展していくためにはどのような戦略を採用すべきかについて、議論をさせていただきたいと思います。
また、具体的な知財業務の観点からは、ブロックチェインがIoTデータ流通市場においてどのように活用できるかについての私案について、皆さんのご意見をお伺いするとともに討論したいと思います。
 
【講師プロフィール】
久野敦司(ひさのあつし)様
1956年生まれ、61歳。海上保安大学校卒。巡視船通信士、海上保安大学校教官を経て、1980年オムロン(株)入社。研究開発、知財戦略、事業戦略などに従事。
2008年からオムロングループの知財活動の強化プロジェクトのプロジェクトリーダーとしてオムロングループの知財ポリシーの制定、知財シナリオに基づく業務体制の構築を主導。
2011年からオムロングループのIoT戦略の立案を主導し、若手の育成を兼ねたSenseekプロジェクトのプロジェクトリーダとして、国のIoT推進ラボの支援対象プロジェクトへの選定、オムロングループのIoT戦略の作成と戦略の実行体制の構築およびセンシングデータ流通市場創設を国家戦略とすることの提案を主導。オムロン在職中の発明は、200件以上の特許出願、90件以上の登録特許。2016年オムロン定年退職。
現在は、PatentIsland株式会社の代表取締役社長、Smips特許戦略工学分科会のオーガナイザ
  
○ 産学連携分科会(長壁健・鈴木睦昭・杉浦美紀彦・林聖子・矢上清乃)
    テーマ:当事者の視点でイノベーションのための(産学)連携のカタチを考える~見えやすい部分から見えにくい部分を見つめて~
    講師:池田雅春様(アナロジー&アーツ) 
【概要】
日本の科学と産業の停滞を憂う声が聞かれるが、その声の多くは外野からで3人称の視点である。今回、機会をいただいたので、たまたまイノベーションのS字カーブの立ち上がり部分に遭遇し、そこを登ってきた者の一人として、1人称乃至は2人称の視点でその道筋を辿ってみたい。当日ご参加いただいた皆さんの体験と重ね合わせながら、連携噺を中心に紐解ければと思う。

【講師プロフィール】松下電器産業に勤務中は、エンジニアとして、プロ向け音響機器&システム・プロ音響機器用カスタムLSI(アナ/デジ)の設計開発に携わりました。その後、システムLSI開発部隊メンター活動、知財戦略に取り組まれておられました。また、MEMSで有名な東北大学の江刺研究室で受託研究員としてキャリアを積まれてきました。松下電器産業退職後は、高齢者生活支援の機器&サービスを中心に研究。また、橋渡し支援に取り組まれております。コーデネーター・アドバイザー活動としても、TAMA協会、川崎市、仙台市、神奈川県、宮城県などでご活躍されてきました。
  
知識流動システム(KMS)分科会(西村由希子・天元志保・長壁健)
    テーマ:「発明・発見教室」に関する検討、その他 ※16:30-18:30開催
今回は、夏休み前・中に、小学校や民間学童機関から実施要請されている「発明・発見教室」についてブレストします。
また、7月10日に委員として参加します「内閣府 知財創造教育推進コンソーシアム検討委員会」での議論内容についてもご報告します。http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tizaikyoiku.html
  

今回お休みの分科会:
産学連携によるイノベーション分科会(山本貴史)
知財キャリア分科会 (上條由紀子・飛澤宗則)
 
 
★18:30-20:00 懇親会を開催いたします(場所:1階 会議室1A、参加無料)