KMSが実施する科学コミュニケーション研修は、国民の理解促進や研究成果の普及・活用に資する科学コミュニケーションのあり方について学び、科学コミュニケーション活動に必要とされる能力の習得および向上の一助として行うものです。
2020年度は、研究開発に従事する者が、非専門家に対して行う科学コミュニケーション活動のうち、特に、研究内容や成果を“伝える”取り組みに必要な基礎知識と実践力を身に付けることを目的とした研修を、計2回実施しました。

2020年10月 9日は、つくば市の国立研究開発法人産業技術総合研究所にて、 新規採用研究者向けフォローアップ研修の一部として「異分野プレゼンテーション」研修を実施しました。
新型コロナ感染予防の観点から、場に集い、対面しながらも、ディスカッションはTeamsを使ってオンラインで行うハイブリッド形式で運営され、約70名が参加しました。KMS 理事で、お茶の水女子大学サイエンス&エデュケーションセンター 特任講師の大﨑 章弘が 講師を務め、「科学コミュニケーションとは(科コミの歴史的経緯)」 に関するレクチャーを踏まえて、3分で専門用語を伝えるワークショップや、グループに分かれて、実際に自分達で実現できそうな未来の共同研究を考えるワークショップに取り組みました。

また、同年12月8日には、つくば市の国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構にて、中堅研究職員を対象とした「科学技術コミュニケーション研修」をZOOM配信で、 ブレイクアウトを用いながら実施しました。
前半は、大崎による「科学コミュニケーションとは(科コミの歴史的経緯)」の講義と3分で専門用語を伝えるグループ演習を行いました。
後半は、KMS フェローでサイエンスライターの堀川 晃菜 氏が、講義と演習の講師を務めました。講義では、講師がこれまでに携わった研究紹介記事やプレスリリースの事例紹介を交えながら、非専門家の心をつかみ、研究の本質的な面白さをより魅力的に伝えるために共通する要素、方法、意識すべきポイントを教えました。また、これを踏まえて、実際に自分達で実現できそうな共同研究の未来像を想像しながら、プレスリリースのタイトルをグループで考える演習を行いました。