経済産業省 未来の教室「STEAMライブラリー」のコンテンツ「新型コロナde問いマンダラ」の映像教材とともに、2021年度新たに「ジェンダーde問いマンダラ」映像教材10本を公開しました。

これらは、 2020年度に公開した「新型コロナde問いマンダラ」の映像教材52本にとともに、KMSのYouTubeチャンネルと「STEAMライブラリー」で公開しており、スライドや 学習指導案は「STEAMライブラリー ジェンダーde問いマンダラ」のTopic編、および、授業編 から誰でも自由に無料でダウンロードできます。


<<<「ジェンダーde問いマンダラ」とは? >>>

 WHOが定める、SDGs5番目の目標に、ジェンダーの平等がうたわれています。一方で、日本は、OECD加盟国の中で、120位(2021年度)と男女共同参画において低水準にあります。日本では、歴史的には比較的性差に寛容で、男女の役割が明確に区別されていたわけではなかったとされます。しかし近代化に従い、ジェンダーと社会的な地位との結びつきの柔軟性が失われたことにより、アンコンシャスバイアスが広がり、強固に定着してしまっています。加えて、LGBTQの議論をまたずとも、ジェンダーは男女二項対立的に区別されるものではない。つまりスペクトラム性をもつものとして考えられ、性差とされてきたものの多くは社会や教育が作り上げてきた部分が大きく、個性の一つであると考えることもできます。
 ここで重要なのは、社会的な捉え方にしろ、生物学的な捉え方にしろ、個々人がアイデンティティのひとつとして認識しているジェンダーのあり方を、第三者的に外側から“中間的”や“例外的”といった評価・表現をしたり、それを押しつけることが、基本的人権を毀損しかねないということです。
本教材では、こうした、ジェンダー(社会的・文化的に形成された性)と性と関連した体や脳の発達について、男女共同参画の在り方だけでなく、より広汎なジェンダーの多様性を意識して、文化・科学・社会の面から、それぞれの専門家のインタビューをもとに考え直すとともに、未来を担う子供たちと、ジェンダーのこれからを考える機会を提供します。


<<<教材の構成 >>>

本教材は「Topic編」と、それを活用した「授業編」の2つからなります。

【Topic編】 https://www.steam-library.go.jp/content/139
 ジェンダーに関する様々な「問い」を7つのテーマにわけて、各テーマに関する専門家にご自身の考えを伺ったインタビュー動画をおさめています。
 「問い」に対する専門家のコメントは数分程度の短いものです。
 各専門家への「問い」とこたえは、参考資料に動画内の時間とともにおさめています。どの「問い」からご覧になっても構いません。気になる「問い」からご覧ください。
 さらに理解を深める参考情報として各動画に参考資料PDFや参照リンクもあわせて掲載しています。

 ※リンク先はKMS YouTubeチャンネルです。
 1 ジェンダーとステレオタイプ:四本裕子 (東京大学大学院総合文化研究科 准教授)
 2 ジェンダーと教育:横山広美 (東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構/学際情報学府 教授)
 3 ジェンダーと都市空間:サリー楓 (建築デザイナー、株式会社日建設計NAD室コンサルタント)
 4 ジェンダーと体の発達:ヨヘイル (臨床心理士、日本性分化疾患患者家族会連絡会代表、ネクスDSDジャパン主宰)
 5 ジェンダーと歴史:横山百合子 (歴史学者、国立歴史民俗博物館 名誉教授)
 6 ジェンダーと法:棚村政行 (法学者、早稲田大学法学学術院 教授/弁護士、専門は民法、家族法)
 7 【特別編】LGBTQってなんだろう?当事者としてどう生きる?:杉山文野 (株式会社ニューキャンパス 代表)


【授業編】https://www.steam-library.go.jp/content/141
 「Topic編」の動画や参考情報を活用して実際に学校で行った授業事例を含めて授業案を紹介しています。

 ※下記のリンク先はKMS YouTubeチャンネルです。
 1 授業「みんな違って、みんないい」ジェンダー・クイズ :長谷川誠・管谷雅紀
 2 授業「みんな違って、みんないい」都市空間編 :長谷川誠・管谷雅紀